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年休義務化 2019年4月1日から!違反企業は罰則


家族団欒

休日は労働基準法で週1日以上、または、4週間に4日以上と決まっていますが、実際には就業規則でそれ以上の休日が与えられていることが多いです。

普通の会社であれば、土日祝日休みで週休2日制を採用していることが多く、休日に稼ぎ時となる飲食業・接客業・サービス業などは、平日休みで中には週休1日というお店も珍しくありません。

このように、業種や会社の規模により休日の数は違うのですが、それ以外の休日として、労働基準法で年次有給休暇が定められています。

この年次有給休暇は、略して「年休」や「有給」とも呼ばれますが、簡単に説明すると、給料ありの休みを取れる権利のことです。

しかし、労働者が年次有給休暇を取得することが困難な状況が続いていたため、政府によって、2019年4月1日から義務化となりました。



年休の付与日数と時効

労働基準法39条
入社日から6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者は、10日の有給休暇を与えられる。その後は、1年間に全労働日の8割以上出勤すると、次の日数の有給休暇が与えられる。

通常の労働者の年休付与日数

継続勤続年数 年休付与日数
6ヶ月 10日
1年6ヶ月 11日
2年6ヶ月 12日
3年6ヶ月 14日
4年6ヶ月 16日
5年6ヶ月 18日
6年6ヶ月以上 20日

年休は、最初が入社日から6ヶ月間、その後は1年毎に、全労働日の8割以上の出勤が必要なので、その条件を満たせないと、次の1年間は年休が与えられません。

しかし、付与日数が減るわけではないので、例えば、2年目にプライベートな病気やケガによる長期欠勤で8割の出勤を満たせず12日の年休が与えられなくても、その後に仕事に復帰して3年6ヶ月までの1年間に出勤率8割を満たせば、14日の年休が与えられます。

よほどのことがない限り、日本の企業に勤めていて出勤率8割未満ということはないでしょうが、年休が発生しなくても付与日数は最大20日までアップすることだけは覚えておいてください。

そして、年休には2年の時効があるため、7年半以上働いている方は、前年分すべてを繰越すと、最大で40日の年休が取れることになります。

なお、年休を全労働者一斉に与えたり、初年度の年休を6ヶ月前に与える分割付与も認められています。



アルバイト、パートでも年休はある

労働日数が少なく、労働時間が短い次の条件に該当する者(アルバイト、パートなど)は、年休が比例付与され、年休の日数が減ります。

  • 週所定労働日数が4日以下で、かつ、週所定労働時間が30時間未満
  • 週以外の期間によって所定労働日数定められている場合は、年間所定労働日数が216日以下で、かつ、週所定労働時間が30時間未満

週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の年休付与日数

週所定労働日数
(1年間の所定労働日数)
(継続勤務年数)年休付与日数
4日(169日~216日) (0.5)7日、(1.5)8日、(2.5)9日、(3.5)10日、(4.5)12日、(5.5)13日、(6.5)15日
3日(121日~168日) (0.5)5日、(1.5)6日、(2.5)6日、(3.5)8日、(4.5)9日、(5.5)10日、(6.5)11日
2日(73日~120日) (0.5)3日、(1.5)4日、(2.5)4日、(3.5)5日、(4.5)6日、(5.5)6日、(6.5)7日
1日(48日~72日) (0.5)1日、(1.5)2日、(2.5)2日、(3.5)2日、(4.5)3日、(5.5)3日、(6.5)3日

このように、アルバイトやパートにも、年休の権利はあります。

年休の時間単位付与

忙しくて年休を取れない方のために、労使協定を締結すれば、年休を時間単位で取れます。

ただし、時間単位で取れる年休の日数は5日が限度です。

また、労働者が希望し、会社が認めれば、半日単位でも年休を取得でき、この場合は労使協定の必要はありません。

年休の時季指定権と時季変更権

労働者はいつでも年休を取得でき、この権利のことを「時季指定権」と言います。

ただし、繁忙期など忙し時に休まれると会社は困るので、正当な理由があれば年休の取得日を変更でき、この権利のことを「時季変更権」と言います。

年休は、基本的にはあらかじめ申し出た後に休むのが常識ですが、使用者が認めれば、病気などで欠勤した日を後で年休扱いにすることも可能です。

年休の計画的付与

使用者は、労使協定を締結すれば、5日を超える分については、一斉付与や個別付与など、計画的に年休を与えることができるようになります。

ただし、次の注意点があります。

  • 一斉付与の結果、年休の残り日数が少ない者を休業させて賃金がカットされた場合は、平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない
  • 計画的付与の労使協定を締結すると、時季指定権と時季変更権は行使できない
  • 計画的付与で時間単位付与はできない


年休の買い上げはできるか?

年休の取得率は低く、半分も消化できていない状態で、社会的にも問題になっています。

2年の時効があるので、多くの労働者が、「会社に買い取ってもらい」「代わりにお金が欲しい」と考えていますが、労働基準法39条で禁止されています。

したがって、「年休付与 » 繰越 » 時効消滅 » 年休付与 » ・・・」という悪循環が続いているのです。

ちなみに、法定の付与日数を超える場合は、その超える部分だけは買い上げ可能となっていますが、必要以上に年休を与える会社はほぼないので、意味はないですね。

また、すでに時効で消滅した年休も買い上げ可能ですが、こんな会社もないでしょう。

年休と退職

年休は、繰り越しと時効消滅を続けているので、多くの方が、退職時に年休の権利を有している状態です。

その場合、「残りの年休はどうなるか?」と心配に思うでしょうが、退職後に付与することはできないと裁判でも判決が出ているので、常識的な会社であれば年休を取った後に退職という形になります。

したがって、それまでに仕事の引継ぎを済ませましょう。

もし、会社が年休を認めないのであれば、労働基準監督署に相談してください。

なお、退職に伴う年休の買い上げは禁止です。

年休の義務化と違反した会社への罰則

年休は、労働者の疲労回復のために法律で定められた休日ですが、日本の企業は労働者に休みを与えようとはせず、また、労働者も年休を取りづらい雰囲気にあります。

その結果、2017年の調査結果では、フランス、スペイン、香港などが100%消化しているのに対し、日本は調査対象30ヶ国中最下位で、50%でした。

上記のとおり、労働基準法で年休について定め、口頭でも年休を与えるように指導してきましたが、一向に改善が見られないため、業を煮やした日本政府が、労働基準法を改正することを決定した次第です。

この改正により、2019年4月1日から年休が義務化され、「その年すでに5日以上の年休を取得している者を除き、年間10日以上の年休の権利を有している者に対し、5日間は時季を指定して年休を与えなければならない」となりました。

違反企業には、30万円以下の罰金が科せられます。

したがって、2019年4月以降は、権利を有すれば、1年間に最低でも5日の年休を取得することができるようになりますが、それで従業員が補充されるわけではないので、その分、忙しい日が増えるでしょう。


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