デング熱、日本での感染経路・潜伏期間・症状・予防は?

デング熱は、熱帯地域の感染症ですが、2014年、約70年ぶりに国内感染が確認されると、2016年には、海外で感染して帰国した日本人が発症し、亡くなっています。
そして、2017年には、海外に渡航していた人がデング熱を発症し、「世田谷区で蚊に刺された」と告げたことで、駆除作業が行われました。
このように、デング熱は、日本でも感染・発症する可能性がある病気になったので、夏場は注意しなければなりません。
デング熱、日本での感染経路
デング熱は、日本には存在しない病気です。
それが、第二次世界大戦中に、南国の戦地から持ち込まれ、日本でも流行し、2014年には、約70年ぶりの国内感染が確認されました。
デング熱は、蚊に刺されることによって感染する病気で、次の流れで感染を拡大していきます。
- デングウイルスに感染した人の血液を蚊が吸う
- 蚊の体内でデングウイルスが増殖する
- 感染した蚊が他の人を刺して体内にデングウイルスが侵入する
最近、日本でも夏になるとデング熱の発症者が出るようになった原因としては、「地球温暖化の影響」に加え、「海外に行く日本人の増加」、「日本に来る外国人の増加」が考えられます。
つまり、海外でデング熱に感染した日本人・外国人が、日本で発症しているのです。
そして、その感染者が蚊に刺され、その蚊が他の人を刺したことで、2014年の国内感染につながっています。
当時は、代々木公園を閉鎖し、薬剤を散布して蚊を駆除する様子がニュースで頻繁に流れていたので、ほとんどの人が覚えているでしょう。
ちなみに、日本でデングウイルスを媒介する蚊は、白黒模様のヒトスジシマカです。
デング熱の潜伏期間と症状
デング熱の潜伏期間は2~14日です。
潜伏期間を過ぎても、5~8割の人は症状が出ませんが、それでも、その人がヒトスジシマカに刺され、そのヒトスジシマカが人を刺せば、デング熱は感染を拡大していきます。
症状が出る場合は、発熱、血小板減少、白血球減少、筋肉痛が多く、その他、発疹、関節痛、頭痛、吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。
ただし、ごく稀に、デングショック症候群やデング出血熱を発症し、命に関わる状態になるので、油断できません。
特に、違う型のデングウイルスに2回感染すると、重症化しやすいとされています。
デング熱の予防と治療
この文章を執筆している2017年6月時点で、海外にはありますが、日本国内にデング熱のワクチンはありません。
したがって、ヒトスジシマカに刺されないようにするのが最善の予防策であり、次のことが考えられます。
- 長袖、長ズボンの服装にする
- 蚊が集まりにくい薄い色の服を着る
- サンダルは避ける
- 防虫スプレーや忌避剤、蚊取り線香などを使用する
- 草むらや公園の木陰など、ヒトスジシマカがいそうな場所に近づかない
- 家の周りにある蚊が卵を産みそうな水たまりをなくす
もし、デング熱に罹った場合ですが、今のところ特効薬は開発されていないので、出た症状に対して治療を行う対処療法がおこなわれます。