肥満症の診断基準と治療法

太っていると体に悪いことは周知の事実ですが、その中でも特に注意が必要なのが肥満症です。
この状態になると、さまざまな病気を引き起こす可能性があるため、医師の診断により、直ちに治療しなければならず、場合によってはすでに病気かもしれません。
肥満症の診断基準や治療法などについて、説明いたします。
肥満と肥満症の違いとは?
「肥満」と「肥満症」は、共に太っている状態を指しますが、その意味合いは違います。
「肥満」とは、脂肪がたくさん付いた状態であり、病気でない人も含まれ、「BMI = 体重kg / (身長m)2」で計算したBMIの値が25以上だと、その人は肥満になります。
一方、「肥満症」とは、肥満により病気である状態、もしくは、肥満により病気になりそうな状態であり、医師が判断して治療・減量が行われます。
肥満症に起因する病気は、糖尿病、高血圧、痛風(高尿酸血症)、脳梗塞、脂肪肝、関節症、睡眠時無呼吸症候群、月経異常、妊娠合併症など様々であり、油断はできません。
肥満症の診断基準
太っていても健康な人もいます。
例えば、マツコ・デラックスさんは、健康診断の結果が全く問題ないということをテレビでよく話しますが、あれだけの体格でも健康な人がいるのです。
つまり、見た目だけでは判断できないのです。
そこで、肥満症の診断基準について、次のように定められています。
肥満症の診断基準
- BMIの値が25以上であること
- 合併症を有するか、合併症になる可能性があること
- 内臓脂肪の量(腹部CTにより測定した内臓脂肪面積が100cm2以上の内臓脂肪型肥満)
以上の基準を満たし、医師が認めると、肥満症という病気であることが確定します。
肥満症の原因
肥満症の原因は、食べ過ぎ、運動不足、基礎代謝の低下、遺伝、ストレスです。
ただし、病気が原因で肥満になる「二次性肥満」の場合もあります。
肥満症の治療法
肥満症の治療法としては、食事療法と運動療法が一般的で、よほど酷くなければ、日本では薬物療法、外科療法は行われません。
食事療法は、栄養バランスがとれた食事をすることですが、自分の判断で勝手にやるとリバウンドや病気の悪化につながるので、主治医の指示に従ってください。
運動療法は、体脂肪を燃焼させると共に、基礎代謝をアップさせ太りにくい体質にする目的があります。
食後1~2時間以内に、1回15~60分の運動を週3~5回行いましょう。
ウォーキングやジョギング、水泳など、脂肪燃焼効果が高い有酸素運動がおすすめです。
肥満症だと熱中症に罹りやすくなる
肥満症は、さまざまな病気を合併しますが、熱中症にもなりやすいです。
正確に言うと、肥満の人全般が熱中症に罹りやすいので、注意しなければなりません。
肥満だとエネルギー消費量が大きく、その分、多くの熱を発生させますが、脂肪がその熱を体内に閉じ込めてしまうからです。
したがって、太っている人は、季節を問わず、熱中症に気を付けてください。